恋するシンデレラ







「お前反応面白いよな。

ほれ、足。」



手を差し出されても足が出せるわけがなく。


戸惑う私。





「なに挙動不審になってんだよ。


足だっての。」




そんなこと言われたって。


簡単にはできないよー。




む、無理です。








「ったく。」





と呟いた優斗はいきなり私の足首を掴んだ。





!!



「え、ちょっと、」



顔を上げて呆れた表情をされる。




「大人しくしてろ、あほ。」




そんな風に優しく言われたら、何も返せない。






靴下を脱がした優斗は、目を大きく開いた。




「結構強く踏まれたな。

ひどいあざになるぞ、これ。」




そう言うと湿布ではなく袋に氷を入れ、足には水で濡らしたタオルを巻かれた。




「しばらくこれで押さえて痛みとれ。


歩けるようになったら来いよ?」




そう言って出ていこうとする優斗。


私は反射的に袖を掴んだ。








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