恋するシンデレラ
4
蒸し暑い中、稽古を続けている私達。
神林さんには、未だに睨まれている。
入道雲が大きく現れた日。
それはまるで、これからの私達に起こる事への忠告のようだった。
今日は家を出るのが遅かった。
だからなのかな?
「あっつ~い。」
汗が垂れてくる。
暑いと言うと余計暑く感じるというけど、言わずにはいられない。
私は下敷きを団扇代わりにしながら階段を登った。
「・・・・ーーー〜っ。」
・・・・・・ん?
微かに聞こえる人の声。
声のする方へ向かうと、そこは稽古場である会議室から1つ教室を挟んだ総合準備室。
稽古場には人がいない。
あれ?
教室変更なんて言われたっけ?
少しためらいながらも近寄ってみた。
「俺はそういう方が好きなんだよねぇー。
優斗は?」
ドキッ
え、優斗?
優斗にしては早い時間。
まぁ、私が遅くなっちゃっただけかもしれないけど。
ドキ、ドキ、ドキ、
速くなる鼓動。
「んぁ?」
「だーかーら、お前のタイプ!
あ、ぶっちゃけ西塔はどうよ?
いい感じじゃん?」
何の話かと思ったら恋のお話しですか!
しかも・・・・わ、私?
「俺も気になってた。
お前ら付き合ってんの?」
三人いるみたい。
ガタッという音がすると、笑い声が聞こえた。
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