恋するシンデレラ






「それでは、終わります。」



「「ありがとうございましたー。」」






ガヤガヤ・・・


一気に活気が溢れる。



「奈々美、着替え行こう?」



「あ、うんっ。

ちょっと待って。」



いつも支度が遅い私を、こうやって愛は待ってくれる。




慌てて制服をだしていると、遠くの方の会話が耳に入ってきた。







「今日もかっこよかったね、佐倉王子!」


「もう、やばいっ!

あたし告っちゃおっかな。」


「あ、駄目だよ。

西塔さん、いるから。」


「あぁ、そっか。

あれ?
でも今日、話してるとこ見てないよね?」


「あー、確かにー。
喧嘩でもしたのかな?」


「もしそうだったら、チャンスだよね!」










優斗の方へ駆けて行くのが見えた。






・・・・・・・・イラ。












「お待たせ!

ちゃっちゃと着替えよ!」


「は?

え、ちょっと、奈々美っ?」




ガシッと愛の腕を掴んで早足に進む。









後ろで優斗の声が聞こえたような気がするけど、

振り向かなかった。






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