恋するシンデレラ
5
次の日も通し稽古で。
優斗と一切会話をしなかった。
私達の異変に気付いたのか、落ち着かない雰囲気が漂い始める。
「ちょっと、奈々美。
どうしたの?」
「ん?何が??」
大好きな炭酸飲料を飲んでいると、愛が不審そうな表情で囁いた。
「佐倉君よ。
2日連続話してないでしょう。
何かあったの?」
何か、ね。
あったと言えばあったし。
ないと言えばないんじゃないかな。
私の一人相撲なわけだから。
あー、自分で思っておきながら虚しくなってる。
バカじゃん、私。
「別にー?
何もないよー。」
「嘘つかないの。
元気全然ないくせに。」
え?
元気が、ない?
その言葉で今までの自分が思い出される。
確かに、時々ぼーっとしてることが多くなって。
家族にも変だと言われた。
だけど。
それまでもが、優斗のせいだなんて考えてもみなくって・・・・・。
暑いからだって。
勝手に思ってた。
私、
本当に。
優斗が好きなんだ・・・・・。
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