恋するシンデレラ












次の日も通し稽古で。


優斗と一切会話をしなかった。







私達の異変に気付いたのか、落ち着かない雰囲気が漂い始める。







「ちょっと、奈々美。

どうしたの?」



「ん?何が??」





大好きな炭酸飲料を飲んでいると、愛が不審そうな表情で囁いた。








「佐倉君よ。


2日連続話してないでしょう。

何かあったの?」





何か、ね。



あったと言えばあったし。

ないと言えばないんじゃないかな。




私の一人相撲なわけだから。



あー、自分で思っておきながら虚しくなってる。





バカじゃん、私。








「別にー?

何もないよー。」


「嘘つかないの。

元気全然ないくせに。」











え?






元気が、ない?









その言葉で今までの自分が思い出される。







確かに、時々ぼーっとしてることが多くなって。

家族にも変だと言われた。








だけど。




それまでもが、優斗のせいだなんて考えてもみなくって・・・・・。




暑いからだって。

勝手に思ってた。













私、



本当に。








優斗が好きなんだ・・・・・。






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