恋するシンデレラ
目が覚めると、人の気配がした。
・・・・・・誰か怪我でもしたのかな。
もぞもぞと、ベットの中で動き体勢を変える。
ゆっくり目を開けて、頭の上を見ようと右に首を傾けると、
「!」
「あ、起きた」
私の右には、優斗が椅子に座っていた。
ビックリした・・・。
「な、なに。」
可愛げのない返事をしてしまって。
我ながら情けない。
薄い毛布を鼻までかけ、そう呟くと優斗はふて腐れた。
「迷ってんじゃねぇかと思って走って来たんだよ。」
あ、そうなんだ。
ちょっと嬉しくなった私は、さっきの反省もあって、
「ありがと。」
と、素直にお礼を言った。
「あ。
や・・・・・別に。」
少し頬が染まった優斗。
・・・照れてる。
なんだ、可愛いとこあるじゃん。
タイプじゃなくて、いっか。
タイプなんか、超えてやればいいんだ。
「何笑ってんだよ。」
「べっつにぃ?」
「急に真面目になって。
熱でもあんじゃねぇの?」
「なっ!」
なんだとぉ!?
と怒ろうとした時だ。
シャーーーーーーッ
「どう?
元気になった?」
ベットを区切るカーテンを開けた先生はニッコリ笑った。
「あ、はい。
おかげさまで。」
「まだ具合悪いかもしれないから。
優斗君、一緒に行ってあげて?」
優斗に向かって言う先生。
ベットから見ている私には、先生の顔が太陽の光でよく見えない。
「・・・はい。」
・・・・・・あれ?
ちょっと待って。
優斗君??
普通佐倉君って呼ぶんじゃないの?
優斗を見ると、耳まで真っ赤なのがわかった。
ふと頭に過ぎるあの言葉。
『髪が短い、優しい子がいいっての。』
優斗。
もしかして。
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