恋するシンデレラ









「うわー・・・・」






王学の校舎に入ると人でいっぱいだった。








長い始業式が終わった後で開放的になっているからか、

皆、テンションが高い。









「・・・・やっぱり帰ろう。」


「「ちょっと待て!」」



二人にガシッと腕を掴まれる。








「だって凄い人込みじゃん。

嫌なんだもん。
こういうの。」



「「いーからっ!」」




そのままずんずんと連れて行かれる。




ようやく止まった私の目の前には、『1−A』と書かれた札。











・・・・・・つ、疲れた。




どんだけ人気なのよ!



クラスはJクラスまであるし。

姫学の女子は皆来てるから人、人、人!




窒息するっての!









「男子は移動しないみたいね。」






というより、廊下に出られないんじゃない?



こんなに沢山の人で埋め尽くされてるもん。









「あ、いた。」



歌菜の声でAクラスを見れば、






佐倉優斗の姿が。





















・・・・・・かっこいい。









一目惚れなんて、もっての外と言っている私が。







見とれるほどかっこよかった。









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