恋するシンデレラ








放っておけば優斗はシンデレラを優先してくれたかも・・・






あー!
駄目だ駄目だ!!


どんどん自分が醜くなってく。


こんな自分は嫌いだ。



でも。

カップル、役なんだよね。



それだけが、私のモヤモヤなんだけど。









「・・・なーにやってんだろうなぁ。」



椅子に座りながらぼうっと窓の外を見ていると、空が雲に覆われ始めていることに気付いた。



「ん?


あぁ、佐倉君のこと?

本当、あんた馬鹿よね。」






!?




「ば、バカ?」

確かに昨日、自分でそう思ってはいたけども。


「だってそうでしょう。


奈々美があんなこと言ったから、先生も納得しちゃって。

結局日にち短縮できないで、仕事行っちゃうんでしょ?

5日も。」



そう。

遠方での撮影になるため、泊まらなければならず。

更に時間のかかる監督なので、スケジュールは変更できなかったようだ。



うん、やはり私は馬鹿だ。



ちなみに、優斗が撮影に行くのは、明日から。






「あー。

明日から、しばらく天気悪くなるみたいね。」



えぇ?


台本から顔を上げた私はきっと凄い顔をしてるのだろう。

愛が顔をしかめた。









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