恋するシンデレラ










「振られてるね、俺。」



え?


振る、というよりもったいないと思って・・・





「奈々美さぁ、優斗が好きなんだろ?」


「え。」


急に男っぽい口調になる達哉君。

これが、素の達哉君。



『優斗』という言葉に敏感に反応した私は、
『好き』という単語に頬だけでなく体全体が熱くなった。



「ははっ。

わかりやすいなぁ〜。

それが現実だろ?

だから俺は正々堂々と戦う。


いつか好きにならせるよ。」


そう微笑んだ達弥は『よし、やるか!』と言って私の頭をポンッと叩いた。



達弥君は本当にカッコイイよ。




でも、叩かれた頭が熱くならない。


どうしても、諦めきれないんだ。






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