恋するシンデレラ







とうとう。

今日。





優斗が帰って来る。







正直、複雑なんだけど。


会えるのは嬉しい。


私が優斗のこと好きなの、

ばれてない・・・よね?






時間に余裕があるので、皆各自で自主練習していると。





ドアが開いた。









皆が注目する先は・・・




「よ。」





言うまでもない。






優斗だ。






『おー、久しぶりだな!』


『佐倉君、おはよう!』




口々に皆が挨拶する中。


高鳴る鼓動はおさまる事を知らず。




そんな私がバレないように、平気なふりしてストレッチをした。




「はよ。」


「・・・あ、おはよ。」



まるで、今気付いたかのように返事する私。





無理があるよね。



そんなこと、ありえないのにね。









開始時間ぎりぎりに愛が到着。





ジャージ姿の愛が、真っ先に私の方に駆けてきた。





「休みかと思った・・「知ってた!?」」





無視かい!



皆の視線が気になったのか、端っこでコソコソと話し出す。






「優斗君、
今度のドラマで相手役の子と付き合ってるって噂だよ。」





そう言って広げた雑誌には。


優斗とあの子の笑ってる写真が。




『ドラマでのカップル実現か?』

という大きな見出しと共に、一面に載っていた。





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