恋するシンデレラ







よく、理解できない。


というより、頭が働かない。







「・・・美?

・・・・・奈々美!」



「へっ?」


「大丈夫?

フリーズしてたわよ。」






はい。フリーズしてました。


愛からの視線が痛く、思わず目線を逸らしてしまう。






「!」



バチッと合う目。




もちろん相手は、噂のあいつ。


慌てて顔を背けた。




「この際聞いてみたら?」


「え!?」





聞くって何を。








「噂は本当なのかって。

私も気になるし。」





なるし、って。




ちょ、ちょ、ちょっと!


私に聞けと?



「むりむりむり!」


「いいから。

行ってきなさい!」



トンっと押されて転びそうになった。


あっぶなーーーい!




愛がクスクス笑ってるの聞こえるし。






顔を上げれば、さっきよりも近いところでまた目が合った。








「・・・・・」




ど、どうすれば。




表情を見れば、・・・あ。呆れてる。





皆自主練習に真剣だから、勇気を振り絞って聞いてみよう、かな。







「あの、さ。」


「ん。・・・何。」



「えっと・・・その・・」







・・・・・・む、ムリだ。






言えない。


言えるわけない!




引き返そうとしたら、愛におもいっきり睨まれた。




あ、駄目ですか。



大人しく優斗に向き直す。







「・・・あの雑誌の話、本当?」




「は?」







勇気出したのに優斗は目を丸くするだけ


すかさず愛の雑誌を奪って突き出した







「・・・だったら?」





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