恋するシンデレラ
「・・・・・」
口が開いてしまう。
このカップル。
最初は仲悪いけど。
最終的に、めちゃくちゃラブラブになってる。
ってか、くっつき過ぎじゃない?
いくら彼女役でも、腕絡ませたりして。
・・・・そんなにベタベタしなくてもよくない?
もう、嫌だ。
こんなの見たくない。
そして終盤。
とうとうやってきちゃった。
・・・・・・キスシーン。
優斗がゆっくり近付いて・・・
って、
「え?」
抱きしめていたクッションを床に置き、身を乗り出す。
だって今、キス、してた?
手を添えてるから確信できないけど、本当にキスしてない?
カットが微妙な位置だったから。
本当かどうかなんてわからない。
き、気になる。
ちょっと、聞いてみよう、かな。
「・・・・・」
メールを打とうとした手を止めた。
『お前には関係ないだろ。』
急に今日のことが蘇ってきて。
静かに携帯を閉めて、ベットに横たわった。
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