1Rの彼女*番外編*
「ここのお店、基本的アクセサリー禁止なんですよ。ちっちゃいシンプルなピアスとか、結婚指輪はギリセーフなんですけどね。

だから、拓馬くんバイト中は指輪外してるんですけど、バイト終わったら着替えるより先に、指輪つけるんです。とっても愛しそうに、丁寧に指輪扱ってて…。

その姿見て、拓馬くんの彼女さんってすっごく愛されてるんだなぁって思って。

目の前に彼女さんがいたから、思わず話しかけちゃったんですけど、驚かせちゃってスミマセン。」




わたあめちゃんは他のお客さんの対応のため、礼をするとアタシから離れていった。


話を聞いて、アタシは思わずなきそうになった。

指輪をあげたトキ、タクはすっごく困った顔してた。
アタシのワガママから、無理矢理つけてもらった指輪を、そんなに大事にしててくれたなんて。


きっと雑誌も、断れなくってしかたなかったんだよね。
浮気するためだなんて思ったアタシが、スゴク恥ずかしい。


タクは、アタシには勿体無いくらいのステキな人。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



「そんなコト聞いたら、怒れないじゃん。」


結子さんから、話を聞いて相手が里緒ちゃんだってすぐ分かった。

『わたあめちゃん』だなんて、ぴったりかも。

会ったことはないけど、例のセンパイ。
早く里緒ちゃんの魅力に気づけよ。
じゃないと、誰かに持ってかれるぞ。



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