1Rの彼女*番外編*
「ごちそうさまでした。」


モデル男が会計していると、マシュマロが定位置から動き出した。

めったに店の中を歩き回らないマシュマロ。
どこに行くのかと思いきや…。



「うにゃーん。」

マシュマロが、モデル男の足元に絡み擦り寄って来た。



「マシュマロどうした?」

マシュマロに向けられた顔。
それは、目尻をくしゃくしゃにして、甘くとろけるような笑顔。


うっ…。

俺、ちょっと変かもしれない。
男の笑った顔なんか見て、ドキドキするなんてさ。

俺が女だったら、完璧に今恋に落ちたと思う。



モデル男がしゃがんだ途端、マシュマロは彼によじ登り、くんくんと匂いを嗅ぎ始める。
マシュマロにされるがままのモデル男。


この男、きっと優しいヤツなんだろうなぁ。

この光景を見て、そう思った。



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