1Rの彼女*番外編*
だって…。


だって、この子のコトは“花梨”って呼び捨てなのに、アタシのコトは未だに“さん”付け。

アタシは、タクの『彼女』なのに…。


こんなコトで怒っちゃうアタシって、心狭い?



タクが玄関先にやって来た。

「結子さん。」


いつものタクだ。

とろけるような甘い声で、アタシの名前を呼ぶ。



「今日はどうし…。」

アタシを見つめる笑顔が一瞬で凍りついた。

明らかに“マズイ!!”っていう、タクの顔。
目なんか泳ぎまくり。

タクが嘘つけないって、この瞬間よーっく分かったわ。



「タク、今日がなんの日か分かる?」

アタシという彼女がいるのに、この仕打ち。

アタシは目の前のコドモを思いっきり睨みつけて、



「タク、この子誰!?」
「たっくん、この人誰!?」

2人の声が重なる。

それはもう、ぴったりと。
某双子タレントのように。




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