ここにある幸せ【短編】


『秋斗…』



そう言って秋斗の手に、そっと自分の手を重ねた。




『なんで…なんで冷た…』



重ねた手から伝わってくるのは、冷たくなった秋斗の体温で。


重ねた手を強く握っても、秋斗の手が握り返してくれることはなかった。




なんで?


なんでこんなことに…

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