ここにある幸せ【短編】
繋いだ手
『美花…?どうした?』
両手で目を覆っていたあたしに気付いたのか、目を覚ました秋斗が隣から声をかけてきた。
『なんでもないよ』
なんだかおかしくなって少し笑えてきた。
『なんだよお前〜めちゃくちゃ目腫れてんじゃん、てか何泣いてんだよ』
『なんでもないってば』
あたしがそう言うと、秋斗は心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。
『マジで大丈夫?』
『大丈夫だってー』
『じゃあ何で泣いてたんだよ』
『えーっ…ちょっと…嫌な夢見て…』
『夢!?マジかよ(笑)子供じゃあるまいし』
秋斗は呆れた顔をしながら笑っていた。