ここにある幸せ【短編】
ばんごはん
『ママー今日のばんごはんは何ー?』
帰ってきた二人の制服を脱がせて着替えさせていると、愛花がニコニコしながらそう聞いてきた。
『今日はねぇハンバーグだよ』
『ハンバーグ?わーい♪愛花もペッタンするー♪』
『はいはい、じゃあペッタンしようね』
あたしと愛花がそうやって話していると、尚斗も『僕もするー』と可愛く笑った。
五歳の愛花と三歳の尚斗。
ハンバーグは二人の大好きな献立で、秋斗も一番好きなおかずだった。
二人は最近お手伝いと言いながら、ハンバーグ作りを一緒に手伝ってくれたりして。
声を合わせてペッタンペッタン言いながら形を整えてくれる。
見事に汚し放題にはなっているけど、形の悪いハンバーグがなんだかすごく可愛く見えてくるんだ。
秋斗も二人が作ったハンバーグを、いつも嬉しそうに食べてるし、あたしはそんな瞬間がすごく幸せに感じられた。