最後の春
担任・・・裕たちにとって大事なことである。変な担任になると1年間が無駄になる恐れがある。

「どうだろう?俺としては佐伯は勘弁してほしいけどな」
「泉ちゃんも?あいつになると地獄行きだな」

佐伯は体育科の教師だが風紀委員の顧問もやっている。日々遅刻と戦っている裕と土田は罰の常習でもある。この罰は「ビシバシ棒」といい、どこで販売してるのかと言いたくなるほど長い木の定規でケツたたきをされるのだ。

「とにかく運命の結果は全校集会のときだな」

いつの間にか長原も会話に入ってきた。長原は遅刻することがまずないので「ビシバシ棒」は怖くないのだろう。

「でた優等生の余裕発言」
「いやいや、優等生じゃないけどね」

長原は土田に対しても冷静に話せる。こういうところは裕にはまねできない。
しばらくすると全校生徒は体育館に集まるようにと校内放送が流れた。

「さぁ!結果発表を聞きにいきますか!」

土田は裕に言った。裕も体育館に向かった。
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