最後の春
「ホントですか!?」

話を切り上げようとした裕はイスに座りなおした。

「でも、引き受けてくれるかどうかはわからないわよ」
「それは、大丈夫です。で、誰なんですか?」
「本間先生よ。」

桜井が教えてくれた本間とは化学の教師だが初授業の時、「俺はガンダムのビームサーベルを作るために化学を専攻した。」と本人としてはツカミだと思った挨拶に見事なほど失敗した教師である。

「本間先生って映画好きなんですか?」
「ええ、大学のときはサークルとかやってたらしいわ」
「どうする?」

長原が裕に聞いてきた。長原もアノ事を覚えているので若干不安そうだ。

「とりあえず、本間のところに行ってみよう」
「泉ちゃんが言うならそうしよう」

裕の提案に土田も乗った。本間は多分化学準備室にいるはずだと桜井に教えてもらった裕は桜井に礼を言い準備室に歩いていった。
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