最後の春
「こういうのはどうだろうか?」

長原はそう言うと、ノートを机に開いた。裕たちがノートに目を向ける。そこには『夢ヶ咲』と書かれている。

「夢ヶ咲?」

雅弘が長原に聞く。

「はい。これからGWとか夏休みなどで僕たちには時間がまだあります。長期期間なら夢ヶ咲で何か話を作れないかと思いました。」

長原が雅弘に答え続けると、

「夢ヶ咲は海の観光地としても有名です。そこで、夢ヶ咲に遊びに来た男と地元で暮らす女性との出会いを考えてみたんです。」

長原はノートをめくるとそこには長原自身が考えたのだろう舞台設定などが細かく書き込まれている。

「ここまで下地が出来ているなら話は作りやすい。何か協力できることがあったら相談には乗るぞ」

雅弘は長原が書いたノートを見ながら言った。
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