最後の春
「少し待った方がいいみたいだな」

長原がこういう提案をした時、裕は大体拒否しない。二人とも考えていることは同じだからである。裕と長原は掲示板から少し離れた所で待つことにした。顔を知ってるやつらが一喜一憂している。数分待つと掲示板を囲っていた輪が縮小してきた。今なら見に行くことも容易だろう。

「もういいんじゃね?」

裕と長原が掲示板に行こうとしたときだった。

「あんた達なにしてんの?」

突然裕の肩が叩かれた。
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