最後の春
夢ヶ咲神社に向かうことにした裕たちはお店の人に教えてもらった道をたどって15分後到着することが出来た。夢ヶ咲神社の境内は広くここなら長野が書いた絵の様なたくさんの屋台が連なることも可能だろう。

「ここかぁ」

土田はビデオカメラをまた回し始めた。境内を歩くと神社の人なのだろうか竹箒で落ち葉を掃除している老人がいる。もしかしたらこの人なら何か知っているかもしれない。

「すいません」

裕が声をかけると老人は掃いていた手をやめ裕のほうに顔を向けた。

「何か用事ですか?」
「ちょっとこれについて聞きたいんですけど」

裕が広告を見せると、

「大例祭がどうかしましたか?」
「この縁日ってここで催されるんですよね?」
「ええ、大例祭は毎年5月に開催される長年続いてるものです。君たちも屋台がたくさん来るから来られるといい。」

老人は笑顔で裕に言った。大例祭の説明してくれたことには感謝するが肝心なのはこれからだ。

「この大例祭は神社が主催でやるんですか?」

主催はどこかなんて聞かれることなんて老人の過去になかったのだろう老人はちょっと怪訝そうな顔になった。

「そうだが、それがどうかしたのかね?」

どうやら主催は神社がやるらしく裕はあの時神社に行こうと提案してよかったと嬉しくなった。

「そうなんですか、じゃあこれを書いた人の事って知ってますか?」

裕は長野の名前が書かれているところを指差した。すると、

「ああ、知っているとも。美樹ちゃんならこの時間海岸通のほうにいるはずだ。」
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