かえりみち。
あのころ

――――あのころの夢を見た。




「…優!優!」

あたしは叫んでいた。


「ねぇ優!
今日一緒に帰ろうよ」
照れを隠した笑顔で、
嬉しそうに言う。


「…やだ」
「えっなんで!?」
『優』は軽く笑いながら
こっちを見た。


「暇だったらね」


あたしの胸は躍った。

「どうせ暇なくせにー!」
満面の笑みを浮かべる。
< 10 / 55 >

この作品をシェア

pagetop