かえりみち。
奈津実はあたしのほっぺから
手を離した。


「なんかねー
夏になると思い出すのさ」

あたしは椅子に座って
足を腕を組んだ。

「まだ春だし4月だし」
「好きになったの
中3の4月だったもん!」
あたしはすごい剣幕で
香苗を見た。



「優モテたから
ライバル2人もいたんだー」
あたしは遠い目で語る。
「まぁその中で、1番イケてたのは
いろんな意味であたしだけど?」

3人とも、誰もあたしを
見てはいなかった。



「昔話はもういーよー」
絵梨はあたしの頭を
軽く叩いてから、
自分の席に戻った。
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