かえりみち。
ガタっと教室の戸が
開く音がした。

振り向くと、優がいた。



「あ……」
あたしは戸惑って、
目線を反らした。


「…あのさぁ…」
「え?」
優はゆっくり口を動かす。


「なんで最近一緒に
帰ろって言わないの?」



意外な言葉に、あたしは驚いた。
優そんなこと思ったり
するんだ。


「あの…あたし」
何か言おうとしても、
なんて言っていいのか
わからない。
「やっぱいいや」
優はそう言って、
教室を出て行ってしまった。
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