かえりみち。
「ちょっと期待したり」
にやっと笑う。

「なんの期待!?」
「だってなんとなく
いつもこっち見てるような」
「気がする?」
奈津実が呆れた顔をした。
「だからだめなんだよ若葉は」
「だめってあんた」


奈津実は上目遣いで
あたしを見た。
「なぁは江口君のほうが
いいと思うけどなー」
「別に江口君が嫌いに
なったわけじゃないし…」
キラキラの目を見せられて、
体を引いた。

「だってみんな言ってるよ?
江口君は若葉が好きって」
「でも噂は噂で…
江口君あたしがメールしても
結構すぐぶちったりするし」
手元のポテトをぐちゃぐちゃ
いじった。
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