かえりみち。
「まじ痛いわー自分」
一人で笑いながら、家に帰った。





今日もまた夢を見た。


―――また、あの暑い夏。


「ね、優の家見てみたい!」
「だめ」

いつも一緒に帰ってたのに、
1度も家を見せてくれなかった。

家まで送っていた、ではなく
家付近まで行っていた、
が正しいのかもしれない。



「なんでなんで?」
「どーしても」
優は眉間にしわを寄せた。
「だめって言われると
余計見たくなるしー!」
あたしは優の家の方向に
走り出した。


「ちょ、おい!」

優はあたしを追いかけ、
腕を掴んだ。


ドキッとした。
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