かえりみち。
「だめって言ってんじゃん」
そう言いながらも、
優は笑っていた。


腕が、熱い。






「最近学校つまんない」
いつものように、
散々歩き回った後だった。
優は歩きながらそう言った。

「勉強ばっかだしね。
夏を制す者は
受験を制すみたいなね。
どうせ冬もそう言うんだろ
って感じだよね」
あたしは足元を見ながら言う。


「まぁ今日は楽しかったけど」

優は無表情だった。



「それって……
あたしと帰ったから
楽しかったってこと?」
あたしは目を輝かせた。
ドキドキしてた。


「うん」

優はそっぽを向いて、
遠くを見るフリをした。

耳が少し赤いのがわかった。




幸せの絶頂だった。
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