かえりみち。
いつの間にか練習は終わってた。
部員達がこちらに
歩いて戻ってくる。


「若葉ーこのあと飯行く?
みんなで行くんだけど」
部員のひとり、吉田に
声をかけられる。

あたしは教室に
課題を忘れたことを思い出した。
「んー…行かなーい」
「なんで?」
「課題教室に置きっぱなし。
取ってこないと!」


あたしは生徒玄関に走った。
運良く鍵は開いている。
階段をかけあがり、
教室を目指した。



はぁっと少し息を切らす。
教室の戸が目の前にある。

ガラガラっと大きな音をたて、
あたしは戸を開けた。
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