かえりみち。
「……」
江口君は何も言わない。
じっと見られてる。

何か気まずい。
あたしは黙って、
教室を出ようとした。



「ちょっと待って」
いきなり江口君に呼ばれて、
あたしは心臓が止まりそうになった。

「ななななに?」
口がうまくまわらない。
「変なこと聞いていい?」
江口君の髪の毛が、
光に当たって金色に見える。
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