かえりみち。
「うん……」
あたしは自分の前髪を
片手で触った。

「あのさ、最近なんかさ…
…なんかあったの?
なんかっていうか」
言いづらそうに、
江口君も前髪を触った。
「なんか…?」
あたしは江口君を見た。


もしかして、教室で
優のこととか話してるから?



「いやー…なんかって言うか」
ははっと笑う。
「昔の人のこと…とか?」
ずばり言われた。
あたしは答えに困った。
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