優しい気持ち
そんなカンジで気がつけば二十三時四十六分。五十分のプレイ時間も残り三十分となっていた。

「そろそろシャワーしよっか。」

「うん、シャワーいこ!」

九割九分の客がすぐシャワーを促しプレイ時間を楽しむのに(普通はそうだと思うが)、私からシャワーを促したのは初めてのことだった。

何か変な感じ。

それでもその人の無邪気な顔を見ていると、その人の焦らない生き方が表れているようで、少しだけ私も心のバリアを緩めることができた。

私は白のTシャツを脱ぎ、ピンクの縞模様のタンクトップと黒のレギンス姿になる。

なんか視線を感じる。

「うん?」

その人はパンツ一丁になって、私の方をじーっと見ている。

「なに?」

「なぁ、パンティ何色?」

「・・・。」

ちょっと待っていればすぐわかる答えなのに。私はその人がわくわくしているのが瞳をみてわかった。

「白?」

「違うよ。」

「じゃあ、黒!」

「・・・。」

ほんとに楽しそう。
私はピンクのタンクトップと黒のレギンスを脱いでみせる。そして髪をとめて、と。

「うわっ!何これ!?」

「ん?このリボン?」

「エッチ!!」

その言葉さえも変な下心があるわけでもなく、純粋に興味津々な感じだった。自分からパンティの色聞いておきながら、すぐ別の話題に移る。

ほんとに変な人。

「エッチかなぁ?パンティの方のリボンはかわいいんだけど、ブラの方はちょっと色落ちしてるんだよね。」

そう言って、ブラジャーの方のリボンを指差し、教えてあげる。

「えっ、そうなん!?」

「ここ・・・。」

「あー、ほんとやね。ちょっと色が薄いかも。」

何だろう、この感じ。

今まで何人もの人と卑劣なことをしてきたのに、その人がブラジャーのリボンに触れるだけで妙に鼓動が高鳴った。

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