止まった時の住人
プロローグ
やっとすべてが終わる。
そのはずだった。
世界は色を取り戻し、時計の針は動き始めた。
崩壊した建物。所々に飛び散った血痕。年の始まりとは思えないほど冷たい風が街中を吹き抜ける。
深い闇を、深手を負った男と女が全力疾走している。
二人は一軒家の前に立ち止まると、女が息を切らしながらインターホンを鳴らして大声を上げた。
「すみません!包丁を持った男が暴れてるの!助けてください!」
すると、インターホン越しに驚くべき返答が来た。
「自分でなんとかしろやボケ!」
目が点になる女。涙目で、再び怒鳴った。
「そんな……警察だけでも、呼んでください!」
すると、家のドアがゆっくり開いた。玄関には、包丁を握り締めた二人の男が立っていた。
「うるさい。それ以上叫ぶと、殺す」
女はあとずさり、家から離れてフラフラと逃げ出した。
「どうなってるの?!」
震える声で、連れの男に聞く。
「俺にもわかりません……とりあえず警察を……」
「そうね」
そのはずだった。
世界は色を取り戻し、時計の針は動き始めた。
崩壊した建物。所々に飛び散った血痕。年の始まりとは思えないほど冷たい風が街中を吹き抜ける。
深い闇を、深手を負った男と女が全力疾走している。
二人は一軒家の前に立ち止まると、女が息を切らしながらインターホンを鳴らして大声を上げた。
「すみません!包丁を持った男が暴れてるの!助けてください!」
すると、インターホン越しに驚くべき返答が来た。
「自分でなんとかしろやボケ!」
目が点になる女。涙目で、再び怒鳴った。
「そんな……警察だけでも、呼んでください!」
すると、家のドアがゆっくり開いた。玄関には、包丁を握り締めた二人の男が立っていた。
「うるさい。それ以上叫ぶと、殺す」
女はあとずさり、家から離れてフラフラと逃げ出した。
「どうなってるの?!」
震える声で、連れの男に聞く。
「俺にもわかりません……とりあえず警察を……」
「そうね」