止まった時の住人
健が呟く。


「まぁ……あせったってゆっくりしたって、時間は戻るやん」


伸也は天井を見上げながら言った。


「そうやけどさぁ……」


その時、ピンポーンとチャイムが鳴った。竜二だ。健は窓から顔を出した。


「竜二!遅いやんけ!」


「いやぁぁ、今年は本当に……あちゅかったでしょ?!」


「全く意味わからん。んでお前また寝癖か?」


「寝癖ちゃう!今日はセットしてるわ!」


「どっちも変わらん。早よ家入れ」


「ヘーイ」


そう言って窓を閉め、再び伸也の前に座った。


「竜二、やっときたん?」


「おぉ。ノーテンキ満開」


そのとき、ドタドタと階段を上がり、竜二が部屋に入ってきた。


「おーっす!あ、伸也!昨日ぶりやなぁ」


そう言って竜二が部屋に入ってきた。


「よし、そろったな」


健が言う。


「んで伸也、大事件って?もう聞いた?」
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