止まった時の住人
10分程で、大きく「乙女」と書いたレストランが見えた。


「あれか……」


レストランの外見はごく普通だ。白色で、少しエレガントな雰囲気で、装飾がハデにしてあって、なんだかお嬢様という感じだ。


ドアを開けるとカランカランと可愛いらしいベルの音が鳴って、店員が「いらっしゃいませ」と言った。中の雰囲気も飾り付けがハデだ。


「何名様ですか?」


と店員が声を掛けてきた。


「あ、一人です」


「かしこまりました。ではテーブルにご案内します」


店員の後について行って、テーブルに着いた。


イスに座ると、「ご注文がお決まりになられたらベルでお呼びください」と言って去っていった。


周りを見ると、本当にごく普通のレストランだ。


「さて。来たはいいものの、どうするんや、これから……犯人なんて、どうやって見つけるんや……」


しばらくすると、男の店員が注文をとりにきた。


そのときだった……


「ご注文はお決まりですか?」
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