止まった時の住人
15時。


疲れていたせいか、沢山寝た。


携帯電話には、着信が何件もきていた。竜二と伸也だ……。


健は直感的に、先に伸也だけを呼ぶことにした。


伸也に電話をかけると、「10分ぐらいで行くわ」と言われて電話を切った。


その間に、健は軽く朝食をとった。10分もしないうちに、伸也が来た。


「健、竜二は呼ぶなってどういうことや?」


「とにかく、俺の部屋行こ」


二階へ上がると、健と伸也は向かい合わせに座った。


「……で、どうしたんや?僕、竜二と一緒におったのに、ごまかすの大変やったぞ」


「うん。そのことやけど……」


健は昨日の弘満との会話を全て話した。


「ふーん。でも、その弘満って奴は俺らを騙すために竜二が犯人やとか言うてるかもしれんで?」


「わかってる。でも、可能性はゼロではない。昨日は混乱しててわからんかったけど……竜二は、今思えば……なんか、変や」


「なんで?」
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