止まった時の住人
それだけでは100%犯人だとは言えないが、竜二が犯人だということを、明日の夜弘満は気付かせてくれる。それで確定だ。


気が狂いそうだが、現実を受け入れなければならない。


明日、もし犯人が竜二やとしたら……俺は竜二と戦う。こんなバカげた世界を終わらせてやる……


健は万が一のため、もう一度伸也を呼び、作戦を立てた。







31日、23時40分。


健は家を出て、竜二の家に向かった。


これほど竜二の家に行くのが辛いと思ったことはないだろう。


だが、もう気持ちの整理はついている。


俺は……竜二が犯人と確定したとき、戦う!


いつものように細い路地を通ると、竜二の家が見えてきた。


竜二の家の前には、二つの人影があった。


暗くてよく見えないが……たぶん弘満と竜二だ。


健は反射的にさっと木陰に隠れた。
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