止まった時の住人
しばらくすると、弘満はナイフを持って竜二に向かって行った。


そして、竜二の腹部にナイフを突き出した。


しかし、ナイフは折れてしまった。


次の瞬間、人間とは思えないほどの速さで弘満を突き飛ばし、弘満は壁に叩きつけられて、その場に崩れた。


「消えろ」


竜二はそういうと、弘満に手のひらをかざした。


すると手のひらから、巨大な火の玉のような塊をだした。おそらく、あれは『聖の光』という、存在を消す技だ。


「やめろぉぉぉぉ!」


思わず健はそう叫び、竜二と弘満のところに飛び出そうとした。


だが、手遅れだった。火の玉は竜二の手から飛び出し、弘満の体を包んだ。


「うわぁぁぁぁ!」


弘満が叫ぶ。


「弘満さん!」


弘満は5秒もしないうちに、光が消えたように、パッと消えてなくなってしまった。


「健。ついに見られてもーたか」


「竜二!お前……何かの間違いやろ!」


健は竜二の胸ぐらを掴み、乱暴に揺さ振る。


「いや。俺が……犯人や」
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