止まった時の住人
「健ー!大丈夫かー?」


「いけるでー!そっちは?」


「大丈夫やー!」


しばらくすると杉夫がブレーカーを上げたのか、電気がついた。不思議なことに、もうすでに雨も上がりそうになっていた。


「お、なんか知らんけど雨止みそうやから、今のうちに帰るわ」


「え、いけるんか?今落ちたとこやで?」


「それもそうやな…ほな、もうちょっとしたら帰るわ」


「おう、そうしぃ」


少しして伸也は家に帰った。それから2時間ほどギターを弾くと、健は寝床についた。









12月、30日。12時。


「は?12時?マジで?時計壊れてないん?!」


健は仰天して布団から飛び起きた。無理もない。この日は11時からバンド練習だったのだ。


「やっっば!」
< 17 / 208 >

この作品をシェア

pagetop