止まった時の住人
駅の前には何台かタクシーが止まっていた。
そのタクシーを勝手に拝借して、踏み切りから線路に入り、とりあえず地元の駅を目指すことにした。
仮免許をとっていたので、意外と運転は順調だった。
途中、橋にさしかかったときはさすがにひやっとしたが、何とか渡りきることができた。もう何分ぐらい運転したのか。
時間が止まっているのに何分と表現するのは少しおかしいかもしれないが、かなりの時間、車を走らせていた。
走行中も外の景色を見渡したが、やはりどこも、全て止まっていた。
何か解決方法はないのか、真犯人を見つける手掛かりはないのか、そもそもここに真犯人がいるのか、もう一生この止まった時の世界にいるのか……
そんなことを考えながら車を走らせていた、そのときだった。
目の前で強烈な何かが光った。
それは紛れもなく、電車のライトだった。
瞬間、ファーン!という電車の汽笛が鳴り響いた。
こっちに、物凄いスピードで向かって来ている。
「うわああ!」
なんで電車が?!そう思ったが、そんなことを考えている余裕はなかった。
健は反対の線路に移ろうとハンドルを右に思い切りきった。
そのタクシーを勝手に拝借して、踏み切りから線路に入り、とりあえず地元の駅を目指すことにした。
仮免許をとっていたので、意外と運転は順調だった。
途中、橋にさしかかったときはさすがにひやっとしたが、何とか渡りきることができた。もう何分ぐらい運転したのか。
時間が止まっているのに何分と表現するのは少しおかしいかもしれないが、かなりの時間、車を走らせていた。
走行中も外の景色を見渡したが、やはりどこも、全て止まっていた。
何か解決方法はないのか、真犯人を見つける手掛かりはないのか、そもそもここに真犯人がいるのか、もう一生この止まった時の世界にいるのか……
そんなことを考えながら車を走らせていた、そのときだった。
目の前で強烈な何かが光った。
それは紛れもなく、電車のライトだった。
瞬間、ファーン!という電車の汽笛が鳴り響いた。
こっちに、物凄いスピードで向かって来ている。
「うわああ!」
なんで電車が?!そう思ったが、そんなことを考えている余裕はなかった。
健は反対の線路に移ろうとハンドルを右に思い切りきった。