止まった時の住人
「え?!雪江さん?!」


健は目を丸くした。


「危なかったわね」


「なんでここに?!」


「あなた達が尋ねて来た日、夜中に屋敷が火事になっちゃってね。もう気づいたときには逃げ場はなかったわ。人生なんてあっけないものね、と思った時……気づいたらこの世界にいたわ。でも、何か変なの。火に包まれたと言うよりは、凄い光に包まれた感じで……熱くもなかったわ……」


「それって……本間に火事なんですかね?」


「どういうこと?」


「多分、解放の光です。今の話を聞いたら、火事やなくて解放の光を受けた確率が高いです」


「解放の光?」


健は時計のこと、解放の光のこと、竜二、弘満、伸也について簡単に話した。


「そう。信じがたいけど、実際に起こっているんだから信じるしかないわね。じゃあ私も多分、健君と同じように、その解放の光を受けたのね。でも、それなら光を出した人は誰なのかしら?」
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