止まった時の住人
「そういえばあのとき、神の時計を持ってたのは竜二やった……」


……でも、なんで竜二がそんなことを?そう考えると、竜二の確率は低い……


「まぁまだわからないことだらけだけど……何か手掛かりは無い?」


雪江は言った。


「うーん……あっ、弘満が消えるとき、この時計を落としました」


そう言って、時の時計を差し出し、雪江に渡した。


「でも、ちょっと変なんです。裏をみてください」


雪江は時計を裏返した。


「……フタ?」


「はい。ほかの時計には、そんな物ついてないんですよ……」


「ふーん……」


雪江は静かに時計に手を当てて目を閉じた。


「……あ、何か見える……」


「本間ですか?!」


「…………十字になった交差点……赤い光…………古い建物が見えるわ。どこか心当たりない?」
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