止まった時の住人
「え?!伸也?!」


健は驚いて言った。嬉しさが込み上げた。伸也が生きている……


「……健……さっきの交差点の事故、見た……やろ?」


バーで話している伸也にはいつもの伸也とは違う雰囲気があった。


「見たけど……あれ、お前なんか?っちゅーか、なんでお前がここにおるねん?」


「そうや。あれは僕や。僕を轢いた車に乗ってたのが弘満や!」


控えめに話しているが、今までにないくらいの怒りが伝わってきた。


「伸也……どうしたんや?まぁとりあえず、お前が生きててよかった。この状況を一緒に解決し……」


「その必要はない」


「……え?今、何て言った?」


健は、伸也の言った言葉の意味がわからなかった。


「僕が……僕が、全部やったんや……」
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