止まった時の住人
「え……」


健は耳を疑った。


「……やったって、何を?」


「この……ループの真犯人は僕や……」


「え?ハハハハ。冗談言うなや、こんなときに。早く一緒に解決策考え……」


パン!


健がそう言いかけたとき、銃声がバー全体に鳴り響いた。


「え……伸也……」


伸也は頭上に拳銃を掲げていた。


「嘘やない……」


伸也はそう言うと、銃口を健に向けた。


「お前……本気で言ってるんか?」


「おぅ……」


伸也の目は真剣だった。


健は怒りと同時に、悲しみが込み上げてきた。


「お前……自分が何してるんかわかってるんか?……嘘やろ?」


「……嘘やないって言うてるやろ……」


「嘘って言えや!嘘やろが!」
< 185 / 208 >

この作品をシェア

pagetop