止まった時の住人
「その矢先!あの事故が起こった。地面に叩きつけられた時、僕はもう虫の息やった。その時、声が聞こえたんや。力が欲しいか?って。迷わず頷いた。すると時計が僕の胸に突き刺さったんや。でも、僕は死なんかった。周りの全てが止まってた。その時、すぐに自覚した。僕は時を操れるようになったんやって。それが僕が時の時計を手に入れた瞬間や」


「……」


「それと同時に神の時計、女神の時計も出来てた。二人の胸に突き刺さってな。僕は二つの時計を拾って時間を戻した。それを弘満に二つの時計を持たしてな。弘満にはループに気づいてもらわんと苦痛を与えられへんから、時計をもたせる必要があった。女神の時計を触らなループに気づかんやろ?せやから、時計を弘満に持たせた。時間は戻る。でも、なんで戻るかわからん。一生彼女のおらん、死ぬこともできへん、そんな苦痛を。最後には、解放の光を放って自滅する。最高の罰やろ?弘満は途中で本当の犯人は僕やって気づいてたみたいやけどな。でも、弘満は一回も僕に向かってこーへんかった。勝たれへんってことがわかってたんやろな」
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