止まった時の住人
「うるさい、うるさい、うるさい!」


伸也は拳銃の引き金を引いた。


「みんな、死ね!僕は存在するものや!」


「やめろ、伸也!」


「健君、伏せて!」


パン!


雪江の声で銃の弾を間一髪で避けると、健は姿勢を崩してその場に倒れこんだ。


「健君、伸也君は発狂してるわ。何を言っても無駄。戦うしかないわよ!」


「くそ……」


健は再び涙を流した。


「戦う?どうやって僕を倒すん?」


伸也は雪江に言った。


「馬鹿にしないで。私はこう見えて柔道をやっているの。高校生が拳銃を持ったぐらいじゃ、私には勝てないわよ」


雪江が言った瞬間、伸也は声を上げて笑った。


「アハハハハ!ほんなら、その柔道とやらで僕を倒してみろ!」


「伸也君……悪く思わないでね」


雪江は伸也に向かって走って行った。
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