止まった時の住人
伸也は時計を受けると、吹っ飛んで地面に叩きつけられた。


「痛っ……」


伸也は息をするのもやっとなほどで、起き上がれなかった。


「伸也……俺の勝ちや……」


健は伸也に向かってゆっくりと歩き出した。


「なんで女神の時計が効くってわかったんや……」


「ドア入る前に、反発してたの思い出してな。もしかしたらと思て……いちかばちかの賭けに出た」


「くそ……」


「伸也……もうやめとけ……」


「アホか……僕が……勝つ……」


伸也は震える手で拳銃を取り出すと、健に向けた。


パン!


弾は健の腕を貫いた。


しかし健はびくともせず、伸也に向かって歩いた。


「くそっ……」


パン!


今度は健の胸元を貫き、健は口から血を吐いた。


それでも健は歩き続けた。


パン!パン!パン!
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