止まった時の住人
面倒くさそうに竜二に電話を掛け返す。


プルルルル、プルルルル……


ガチャッ


「健ー!」


電話の向こうから、物凄い叫び声が聞こえてきた。


「何や?どうしたんや!」


その声で途端に目が覚めた健は、コタツから飛び起きて竜二に聞き返した。


「曲はどうや!」


「……は?」


何事かと思ったら……。


「曲、出来たかって聞いとんのや!」


「お前それだけで10回も電話するなや、何事かと思うやんけ…」


全身の力が一気に抜けて、健は肩を落としてため息をついた。


「いやぁー待ち通しくて!」


「わかった、わかった。早めにやっといたるから!」


「おぉ健!愛してるで!」


「お前ホンマにそれやめろや」


「あ、そう言えば明日のカウントダウンライブ、来てくれるんやでな?」
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