止まった時の住人
気が済むまで俊子と延々と話していたら、気がつくと22時を回っていた。


「ほな、おやすみ」と言って自分の部屋に戻った健は、そのまますぐに寝てしまった。







12月 31日。 7時、25分。


チュン……チュンチュン……


可愛いらしいスズメの声が聞こえて、木漏れ日がカーテン越しに、ふわふわと健に降りかかる。はぁあ。もう朝か。


プルルルル、プルルルル……


「ん?」


携帯電話の鳴る音が聞こえてきた。


「ん……電話か……誰や……」


半分寝呆けて携帯電話のサブ画面を見ると、竜二からだった。


「何やねん……」


面倒くさいが、眠たい目をこすって体は起こさず、仕方なく電話に出た。


「もしもし?健?」


竜二の声だ。でも、声のトーンがいつもと違う。


「何や?曲ならまだやで?」


とりあえず、いつもの調子で聞き返した。
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