止まった時の住人
竜二は31日、「毎日同じ日々を繰り返す夢を見た」と言っていた。


これを、夢を見る前の日に言えば完璧だ。夢を予想されたら、誰だって信じるしかない。


……これで、竜二はなんとかなりそうだ。


……もしかしたら、時間が戻ったのは今回の1回だけで、このまま普通の日々を過ごせるのかもしれない。


しかし、もしこのまま時間が永遠に戻り続けたら……ゾッとする。


でも、そんな気がして仕方がない。もしそうなれば、生きることも、死ぬこともできない。


一人でも多くの奴に気付いてもらって解決策を考えないと……


「そうや…バンドメンバーに言ってみよ!」


起き上がって携帯電話を手に取り、早速ギターボーカルの武に電話した。


プルルルル、プルルルル……


ガチャッ


「もしもし?健?どないしたんや?」


明るい武の声が聞こえた。


「武?えーと……」


何も考えずに電話を掛けたため、上手い言葉が見つからない。


「何や?」
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